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開業場所選定編

戦略策定には患者ニーズの把握が不可欠

 国民意識は「安心・快適・豊かさ」を三つのキーワードに、住み慣れた土地で健康に、そして豊かに暮らしたいと強く願っています。医療に対するニーズも治療から予防へと変化すると同時に、量的なものから質的なものへとその内容も変化してきています。近年では効率についても求めるようになっています。

 このように国民意識が変化する中で診療所経営を行うには、患者ニーズを把握することが戦略策定の上で最も重要なこととなっています。その際に考えなければならないのは「診療圏」です。患者行動を考えると下表のように分類できるのではないでしょうか。

診療圏標榜科
一次診療圏日常生活圏内の提供医療人々が歩行で営んでいる日常の生活行動範囲で、幼稚園、小中学校通学園、日常品(最寄品)購買圏、徒歩通勤圏の範囲で半径500m~1km以内 プライマリケア在宅医療( 内科、整形外科、外科等)
二次診療圏通常行動圏内の提供医療乗物を利用することによって可能となる生活行動範囲で、高校通学圏、買回品(高級品)購買圏などで、乗物で半径1km~2km以内 専門診療所(耳鼻科、眼科、皮膚科、脳神経外科、心療内科等)
三次診療圏最大行動圏内の提供医療特別の必要がある場合に限って長時間かけてでも出かける範囲、その場合の必要性の度合、地域の習慣、交通事情によって必ずしも一定しない 精神科、産婦人科等

 少子高齢化や核家族化、医療界に目を向けても医学や医療技術の進歩はめざましいものがあります。このように社会環境の変化に対応しながら、医療機関においても機能分化が進んでいます。その中で、自院が独自性のある価値あるポジションを創り出すには、これまでの診療科を標榜しているだけでは困難な状況になっていて、最近では地域密着型や専門特化型の医療施設が活躍されています。

①地域密着型医療施設


「かかりつけ医制度」の進展により、在宅医療、介護施設や福祉施設との連携を図りつつ、患者を確保する診療所。(一次診療圏をターゲット)

②専門特化型医療施設


心臓・肝臓・腎臓・肛門などの専門の診療科を標榜して、広域の診療圏から患者を集めている。入院が必要な場合は連携する病院を紹介。(二次診療圏をターゲット)

戦略策定には患者ニーズの把握が不可欠

 さて、どのような診療所にするかが決定したら、開業する場所の選定となります。開業候補地がどの程度自院に適しているかを考慮しながら決定します。
マーケティング調査(診療圏調査)をして、どのくらいの患者が見込めるかを検討することになりますが、一般的な開業適地としては以下の要件を満たしていることといわれています。

  1. 勤務先、出身地、出身大学、住居の周辺 ・・・・・・ (患者確保の容易性)
  2. 駅前、商店街、オフィス街等 ・・・・・・ (人の多い場所)
  3. 都市開発計画予定地、新興住宅地や人口増加の予定される地域 ‥‥‥(街の将来性や活気のある地域)
  4. 競合医療機関の少ない場所
  5. 土地の広さ、駐車場が確保のできる場所

 開業の適地であるかどうか不動産物件をよく吟味して選択するのですが、その際SWOT分析の手法を活用すると情報が整理しやすくなります。

 その立地で自院がどのような強みを発揮して医療サービスを提供できるか、そして弱みとなることは何か、強みの得意分野などを受け入れてくれる患者がいるか、ライバルとなる競合医院の状況はどうか。

 このように4つの視点から、どのように差別化を図るか情報を整理すると、当初考えた自院の方向性を軌道修正するのにも役立つことがおわかりになると思います。そして、何を行うべきで、何を行わないのかを判断することもとても大事なことです。

  開業地決定のためのSWOT分析


プラス要因
マイナス要因
内部環境
Strength (強み)
自分が他者より得意な分野は何か?
Weakness (弱み)
自分が他者より不得意な分野は何か?
外部環境
Opportunity (機会)
自分のチャンスになるのは何か?
Threat (脅威)
自分の障害になるのは何か?

何をするべきか?  何をしないか?